宮師雄一さん/ブランディングデザイナー・アートディレクター
穏やかに「なによりラインがいいですね」と話し始めたのは、ブランディングデザイナー・アートディレクターとして活躍する宮師雄一さん。音楽レーベルやミュージシャンのロゴマーク、ファッションブランドやホテル、レストランなどのコーポレートアイデンティティなど、宮師さんがこれまでに手がけてきた仕事を目にしたことのない人はいないのではないかと思うほど、その内容は多岐にわたる。そんな理論的かつ優れた感性で仕事を進める宮師さんを魅了したのが、NC PRODUCTSのネイビーだ。
「深めのネイビーが好きで、いつもいい色味のデニムを探しているんです。この染め具合はいまの気分にとても合っていて、ひと目で気に入りました。まずはワンウォッシュしたところ。この先、どんなふうに表情が変わっていくかが気になりますね」
仕事時は机に向かって、長い時間座っていることも多い。NC PRODUCTSのデニムパンツは窮屈な感じがなく、心地よさが気に入っていると宮師さん。一方でスタンダードなシルエットは自宅を兼ねた事務所で仕事の気分へと切り替えてくれるともいう。
「デニムを選ぶときは色や生地が決め手です。最近はリーズナブルなデニムに惹かれて購入もしていますが、思っていたより生地が薄くて痛みが早い。結局使い捨てになってしまうのではないかと懸念していました。このデニムパンツはしっかりと織ってあるけど軽いのもいいですね」
あらためて宮師さんの仕事に目を向けると、青空や海、夜明けの青のようなさまざまな青を効果的に用いた作品が多いことに気づく。この日、宮師さんの装いも青いジョンスメドレーのハイゲージニットとNC PRODUCTSのデニムパンツを合わせていた。愛用するサンスペルのシャツなど、プレーンなアイテムを合わせるのにいいデニムだと、宮師さんはいう。そして足もとはロールアップしてスニーカーを合わせるのが定番だ。スニーカーはナイキのエア フォース 1と決めており、シューズボックスにはプレーンなモデルから限定アイテムまで、さまざまなエア フォース 1が並ぶ。
「若い頃にはいろいろなことを試しました。けれど年齢を重ねるごとに、余計なデザインはいらなくなってくる。気がつくとミニマルなデザインを好むようになりますね」
まさに経験を重ねて得られる魅力を教えてくれる宮師さん。最後にNC PRODUCTSへのリクエストを尋ねると「僕は前ポケットにスマホを入れて出かけることが多くて。もう少しポケットを大きくしてくれるとうれしいかな」と話してくれた。
宮師雄一
アートディレクター、グラフィックデザイナー、ブランディングデザイナーとして広く活躍し、国内外の受賞多数。タイクーングラフィックス主宰を経て、サイモンアンドブラザーズ設立。
取材・文:山田泰巨
写真:太田太朗