デニムの魅力を届ける
パッチワークライン

Products Story

新たなプロダクツへの再生

NC PRODUCTSのベーシックラインでは、持続可能なサイクルに目を向けました。一方で数多くのデニム製品を縫製することから発生する残反(生産過程で残る布)に目を向け、別の視点から持続可能性に向き合うのがパッチワークラインです。裁断後に残るわずかな端切れ、製品には量が足りない布、製造が終了した製品の布など、さまざまな理由から工場には多くのデニム生地が残ります。一言にデニムといっても布の表情や濃淡の違いで多様性があり、その魅力をどのように再活用するかは長年の課題でした。そこで私たちは工場の技術を用い、ラグやクッションカバーといったライフスタイルプロダクツへと再生することにしました。

端部へのこだわり、そして残反の特性を活かして

デニム生地のさまざまな表情を楽しんでほしいことから、ラグ、クッションカバーともに幾何学的なパッチワークパターンを採用。グラフィカルなパターンの美しさを損なうことなく表現するには、パッチワークのパーツそれぞれの端部の角をしっかりとだす丁寧な縫製が求められます。また幾重にも布を重ねるため、厚みが増しがちな生地の接合部も縫製技術で平たく抑えています。クッションカバー3種、ラグ2種のパターンを用意しており、その時々にナイスコーポレーションがストックする残反から制作するため配色はお任せいただきます。色味はブルー、ブラック(一部製品はミックスも)からご指定いただくことができます。こうしたパッチワークラインに触れ、「買ったばかりのデニム製品は生地だけでなく、気持ちまでがしゃきっとしてくる」と話してくれるのは製品のスタイリングを手がけてくれたインテリアスタイリストの作原文子さんです。

「最初はハリがあってフレッシュな感じのデニム生地も、使い込んでいくと色が落ち着いていき、肌触りが柔らかくなっていきますよね。そんな経年変化を楽しめるデニムを使ったインテリアアイテムは、自分らしく育てていけることに魅力を感じます。デニムのファッションアイテムがかしこまらず日常的に楽しめるように、インテリアアイテムでも自分らしく楽しんでほしいですね。ラグなので足元にはもちろんいいけれど、ソファと合わせたり、車のなかで使ったりということも考えられます。たとえボロボロになっても、タペストリーのように空間的に楽しむのも良さそう。もう少し大きなサイズや、無地部分が多いものがあってもいいかもしれません」

さらにインテリアでは、「夏は上質な白いリネンと組み合わせて大人っぽく、冬はニット生地や茶系の布と合わせてシックな表情を楽しむのも良さそう。メンズライクなアイテムなので時代を問わず楽しめます」と作原さん。

 今後、パッチワークラインでは持ち込みの生地を使ったカスタマイズアイテムの制作も見据えています。人々の記憶とともにあるロングライフなアイテム……それこそ私たちがパッチワークラインで実現を目指すものです。

 

文:山田泰巨

写真(1枚目):曽我部洋平  (2枚目):北村 穣 (Rudesign / GO motion)  (3~6枚目):Satoshi Yamaguchi   スタイリング:Fumiko Sakuhara

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